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第127回深夜句会(12/13) [俳句]


いつもお世話になっているカフエ「マメヒコ」のドアノブにかけられた飾り。

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(選句用紙から)

ボーナスの日にあつまりて同期生

季題「ボーナス」で冬。ちなみに夏のボーナスは「夏ボー」…だろうか。
ボーナスの日に、同期入社の何人(何十人?)かが集まって、この一年を語っている風景なのだけど、同期生ということばが成り立つぐらいの大きな組織であることと、そしてもっと重要なこととして、入社してからまだ間もなくて、同期生で集まることにためらいがないということ。これが二十年、三十年と経過すると、いろいろな理由で、「ボーナスの日にあつまりて」とはならなくなってくるのですね。


年の瀬の男ばかりの良き句会

季題「年の瀬」で冬(歳晩)。俳人であるからして、年の瀬だって句会をもつのだけれど、それがたまたま男子ばかり、いゃ野郎ばかりであったよ、しかしそれのどこが悪いんだ、男ばかり上等じゃないか。いい句会じゃないか!という「じわっとくる笑い」がある句。ポリコレ的におかしいとか、そういうことは言わないでください。
「年の瀬の」「男ばかりの」ときて、さあどうなるのか、と思わせておいて、「良き句会」という落とし方が、俳句の俳句らしさを失わないぎりぎりの線でふみとどまっていて心地よい。


(句帳から)

冬日和機影ふらふら近づける
冬の星保育園からおんぶして

  
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2018六甲全山半縦走大会 [ウォーキング]

5年ぶりの六甲縦走。今年あらたに開設された半縦走大会に出場する家族のサポート役のつもりだったが、途中で自分の右膝が故障し、四苦八苦するはめに。

半縦走のコースは、途中市ヶ原までは全縦と同じで、桜茶屋を南に曲がって布引貯水池の横を新神戸に降りるおよそ20キロ。須磨浦公園スタートは午前5時でなく7時30分なので、まわりがすっかり明るくなっている。なかなかいい景色だったのですね。

鉢伏山から鉄拐山へ、記憶していたよりも遠いなあと思いながら上ったり下りたり。おらが茶屋なんて見たことがないような気がするのだけど、全縦ではこのへんはいつも真っ暗なので仕方ない。気温が上がらないので、下りになると寒い。高倉台はすっかり明るくなっていて、すでにスーパーが営業している。

高取山の茶屋。お姉さんの名調子は今年も聞けなかったが、おなかがすいてきたので1本50円のバナナを実際に買ってみる。露店はもう撤収間際で、ベンチに座ってもぐもぐ食べている間にすっかり片付けられてしまった。ここの下りから右膝が痛みはじめ、これはまずい事態になった…と暗い気分になる。

鵯越駅の手前の住宅街にあったコンビニは、前回歩いた2013年にすでに閉店していたが、デイケア施設に変貌していた。これで、半縦走ルート上には1軒もコンビニがないことになる。

菊水山の登りも5年ぶり。標高差300メートルがきつい。狭い階段を一列で登るので、後ろから人が登ってくるという心理的な圧迫感で疲れるのかもしれない。頂上で大休止し、持参した行動食のほとんどを食べる。初めて食べた「エネ餅」は、塩味がほどよく効いていて、好ましい。念のために持ってきたレーズン1袋は、戸棚に転がっていたものだが、これも食べてしまった。あとは何の気なしに駅で買ったオレンジピールとレモンピールのドライフルーツ。疲れているので文句なくおいしい。

菊水山から天王吊橋へ降りてゆく途中でいつも目に入る風景なのだけど、自分がいま下りている山道やその先の吊橋より高いところに、住宅地が造成されている。理屈では了解できても、現実のものではないように感じられる。天王吊橋から鍋蓋山(本日の最高地点)まで標高差200メートルの登り返し。これはこれできついが、斜面をジグザグに登っていく分だけ菊水山より楽な感じがする。

鍋蓋山からは、痛む膝をかかえて降りてゆくのみ。大竜寺のバス停には、ちょうど三宮行きのバスが来ていて、あれに乗れば三宮のカフェでおやつを…などと考える。

全縦の出場者はとっくの昔に先へ行ってしまっているが、市ヶ原にはどんな看板が立っているのだろう…と考えていたら、ごく普通の看板だった。

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あとは2キロ足らずなのだけど、途中から階段が連続して現れ、まさかの難行苦行。結局、8時間35分ほどでゴール。累計高度は登りが1,578m、下りが1,451mで、その差が100m以上あるのは、ゴール地点が新神戸よりずっと手前の丘の上にあるため。見晴らしのよい高台にあって、ゴール地点としては気持ちのよい場所でよかった。

翌日、駅から整形外科へ直行して右膝の痛みを訴えると、念のためレントゲンを撮った上で「腸脛靭帯の炎症ですね…」との診断。完治するのは難しく、高山の稜線上とかでこんな症状が出たら一巻の終わりなので、本格的な登山はやめておいたほうがよさそう。残念。

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第126回深夜句会(11/15) [俳句]

長くお世話になっているカフエ「マメヒコ」へ行くと、11月23日に幻の名企画「タダヒコ」を実施するという(幻と呼ぶ理由は、10年ほど前に漠然としたアナウンスがあったきり、実現をみなかったから)。スケジュールが合わず、参加できないのが残念。

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(選句用紙から)

大根に魚網を被せ干しにけり

季題「大根」で冬。
不思議な風景…頭で考えて作れる句ではないので、実在するのだろう。海か川か湖かはわからないが、水辺にほど近い大根畑の、地上に顕れている大根葉の部分に、魚網が被せて干されている、というのだ。大根葉に被せることができるぐらいの魚網であるからして、漁船2隻で曳く底引き網なんていう大掛かりなものではなくて、投網みたいな、人が手で操る小さい網なのであろう。川べりの小さな大根畑と、そこに干された小さな投網、その近くには人が暮らしている、というような風景が想像される。

鶏頭の朱のつんとしてをりにけり

季題「鶏頭」で秋。
鶏頭の姿かたちについて「つんとしている」と叙した句はいくらもありそうだけど、その「朱色」の色味がつんとしている、と述べたところがこの句の眼目。

(句帳から)

湖面を渡つてきたる時雨かな
どこからかチャイコフスキー冬日向


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北村薫『中野のお父さん』(文春文庫、2018) [本と雑誌]

面白くてスイスイ読めるし、なるほどと思わせるところも多いのだけど、息詰まるような展開とか、読後に残る余韻や重い感じとかがもう少しあってもいいような…

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番町句会(11/9) [俳句]

先月は欠席してしまったので、2か月ぶりの参加。
きょうのお題は「時雨」。先月琵琶湖を歩いたばかりだけに、これは大助かり。

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(選句用紙から)

時雨より一足先に客の着く

季題「時雨」で冬。秋に降る時雨は「秋時雨」。
午後から夕方にかけて時雨れることが多い地方で、「客」を迎える仕事、たとえば旅館を営んでいるのだろうか。きょうの宿泊客が到着するまで降らないといいが…と案じていたところ、事情を知ってか知らずかお客さんがやってきて、それを追いかけるように時雨がやってきた。

小畑の隅まで菊の占めてをる

季題「菊」で秋。どのような場所なのか、小さな畑の隅のほうまで、菊が植えられていて、それが花をつけている。「隅まで」としたことで、菊がそれほど背の高い菊ではなく、小菊であることがわかる。また、その畑が小さな畑であることから、たとえば山間部の段々畑のようなところの一区画なんかが想像され、そんな場所に、ていねいに人の手が入った小さな畑があり、そこで植えられているのが菊である、ということに興趣を感じる。

湖南より伊賀はほどなし時雨れつゝ

北から南へ、雲と時雨がセットになって(当たり前だが)流れていくのでしょう。琵琶湖の湖面を渡り、湖南まで来た時雨は、その先の山のほうへ流れていく。そこまでの場所に雨を降らせた風は、そこから先では乾いた風になってしまうのだけど、伊賀もまた、時雨の季節を迎えることであるよ、という句。「ほどなし」が、自分の旅程のようでもあり、風の行き先のようでもあるところに詩情が感じられる。

(句帳から)

クレーンの吊荷に冬の雨そそぐ
ゴール地点根深汁などふるまはれ
冬の森から赤やピンクの山ガール

  
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