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蔵前仁一『失われた旅を求めて』(旅行人、2020) [本と雑誌]

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プルーストの『失われた時を求めて』とは別の本です…って間違える人はいないか。

ずっと旅行者(非常勤?の旅行者だが)をやっていると、確かに「その後全然別の姿に変わってしまって、もう行きようがない場所」や「状況が変わってしまって、そこに行けない場所」がいくつも出てくるのだけど、それを(ほぼ)自分と同時代で示してくれる一冊。私にはインドのことはわからないけど、1980年代前半の中国って、たしかにこんな感じだったなあと。この著者と同時代にバックパッカーをやっていたおかげで、自分で一から説明しなくてもこのような記録にめぐりあうことができたことに感謝したい。

また、同じように現在から将来方向へ眺めてみれば、いま何気なく行っているけれども、将来は全然別の姿に変わってしまう可能性が高い場所とか、なんらかの事情で近寄れなくなってしまう場所もあるはずで、そう考えると、旅行者が目にするものってずいぶんいろいろな条件に制約されるのだなあと思う。

 


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