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第142回深夜句会(3/12) [俳句]

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自粛する気はないので、念のため会場だけ変更(換気のよさそうな店に変更)していつもどおり開催。単に幹事を務めているだけなので、偉そうにいう必要もないのだけど。

(選句用紙から)

雨の香に包まれてゐてあたたかし

季題「暖か」で春。ストレートに春の陽気をいうのでなく、春の雨、それも春の雨のにおいを詠っているところが面白い。これが冬の雨とか夏の雨ならこういう句にはならないわけで、春の土にそそぐ春の雨だから、その独特のにおいとともに暖かさが感じられるのだと思う。また、この句での暖かさは、気持ちの上での暖かさとも読める。


大試験終へておほきな木に集ひ

季題「大試験」で春。入学試験でも卒業試験でも、ともかくそういう特別な試験が終わって、それまでの水を打ったような静けさと緊張感から一転して、答案用紙に向かい合っていた者たちがキャンパスの大きな木の下に集まってあれこれ言い合っている。大きな木の「大」が「大試験」と重なるのを避けて「おほきな」とかなにしているところも周到。
私は、卒業試験のあとで、このキャンパスで何年も一緒に過ごしてきた学生たちが、キャンパスの象徴である大きな木の下で、残り少ない時間を惜しんでおしゃべりをしている風景と鑑賞した。

(句帳から)

少しづつ離れて座り春寒し

  
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