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番町句会(12/13) [俳句]

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兼題は「牡蠣」。自分は今年最後の句会だが、隣の方が「数えてみたら、1年で72回の句会に参加していた」とおっしゃるので驚く。72回って月6回…週1を超えるハイペースではないですか。うらまやしい。

(選句用紙から)

次々と啄みにくる冬の鳥

ほとんど物音のしない、冬の静かな風景。家の窓から庭の柿の木とかオリーブの木を見ていると、そこへいろいろな鳥が、「次々と」ついばみにやってくる。同じ種類の鳥が何十羽もいちどに群がるのではなく、一羽または数羽ずつ「次々と」やってくる、というところに味がある。ちょっと気がせいているのは、食べ物の少ない冬だから、というと理屈になってしまうが、来る・ついばむ・飛んでいくの繰り返しの面白さと、ずっと同じ場所から見ている(時間の経過)視点の面白さ。

店頭に牡蠣剥く漢巴里の宵

パリについて何も知らないのだけど、こういう専門職のようなものがあるのだろうか。そういう人のサーブを受けながら、これからはじまる長い夜を、どう楽しもうかと相談している粋な風景。巴里の「宵」が、通俗に陥る手前で踏みとどまっていて好ましい。

森を育て而して牡蠣を育てしと

魚つき保安林、という言葉が認知されるようになって久しいが、ここには森と(川と)海の物語があるのですね。


(句帳から)

半ばまで削られながら山眠る
牡蠣船の繋がれてゐる水路かな
冬紅葉公会堂の楽屋口
着ぶくれてエスカレーター一列に
駅前の来々軒の聖樹かな

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