番町句会(11/8) [俳句]
きょうのお題は「大根洗ふ」。実景を見ていないとなかなか詠めない季題。
(選句用紙から)
宅配の手押し車に冬日濃く
ここでいう「手押し車」は、建設現場や保育園でいう「手押し車」ではなく、オフィスで通常「台車」と呼ばれる、低い荷台に車輪がついた折り畳み式の運搬具のことだろう。宅配便は、トラックのほかに自転車で牽引するリヤカーのような車両も見かけるが、ともかく配達先のマンションの前とか会社の駐車場とかに車両を停めて、そこから先、その配達先に届ける荷物を台車に乗せて押していくのだ。どのくらい多いかはわからないが、複数あるから台車を使うことが前提。で、トラックから台車に移された荷物にも、台車にも、冬の日がひとしくあたっている。
諍へるままに大根洗ひをり
農婦、ということば自体が死語かもしれないが、畑から抜いて積み上げた大根を、流水だか湧き水だかの畔で洗っている。ところが、近くで見ていると、その洗っている本人が、同じく洗っている配偶者だか農婦仲間だかと何やら口論をしながら、ただ手足は忙しく動かして、大根を洗い続けている。大根がたくさんあるから、手足を止めて本格的に口喧嘩をするわけにはいかないのだ、とか理屈を言わなくても、面白くて少し悲しい一句。
(句帳から)
車窓より見ゆる焚火の暗さかな
両岸の枯野しだいに暗くなる
粉のにほひバターのにほひ冬温し
(選句用紙から)
宅配の手押し車に冬日濃く
ここでいう「手押し車」は、建設現場や保育園でいう「手押し車」ではなく、オフィスで通常「台車」と呼ばれる、低い荷台に車輪がついた折り畳み式の運搬具のことだろう。宅配便は、トラックのほかに自転車で牽引するリヤカーのような車両も見かけるが、ともかく配達先のマンションの前とか会社の駐車場とかに車両を停めて、そこから先、その配達先に届ける荷物を台車に乗せて押していくのだ。どのくらい多いかはわからないが、複数あるから台車を使うことが前提。で、トラックから台車に移された荷物にも、台車にも、冬の日がひとしくあたっている。
諍へるままに大根洗ひをり
農婦、ということば自体が死語かもしれないが、畑から抜いて積み上げた大根を、流水だか湧き水だかの畔で洗っている。ところが、近くで見ていると、その洗っている本人が、同じく洗っている配偶者だか農婦仲間だかと何やら口論をしながら、ただ手足は忙しく動かして、大根を洗い続けている。大根がたくさんあるから、手足を止めて本格的に口喧嘩をするわけにはいかないのだ、とか理屈を言わなくても、面白くて少し悲しい一句。
(句帳から)
車窓より見ゆる焚火の暗さかな
両岸の枯野しだいに暗くなる
粉のにほひバターのにほひ冬温し
2019-12-04 00:52
nice!(0)
コメント(0)
コメント 0