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第138回深夜句会(11/14) [俳句]

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(選句用紙から)

空白は雪原クリスマスカード

 雪も季題だが、この句の季題は「クリスマスカード」のほう。受け取ったのか書いているのか、クリスマスカードにサンタクロースとかトナカイのそりとかが印刷されているのだけど、その周囲は、文字を書き込むための余白(空白)になっている。何も印刷されていない空白は、あたかも雪原であるかのように見えるデザインになっている。
グリーティングカードによく用いられる、ザラザラした(=あまりつるつるしていない)厚手の紙のあたたかな質感が連想され、ひいては送られてきたクリスマスカードの温かさが感じられるような一句。

耳の皮膚うすらかなるや冬日影

 うすらか(薄らか)、ってあまり使わない表現だけど面白い。
 最初、冬の日影に入って耳が寒い、そういえば耳の皮膚は薄いので寒さを感じやすいから、という身体感覚が面白いと感じたのだけど、互選のあとの検討で、これは冬の光がさしていて耳がほの赤く透けて見える、という他の句でしょう、と指摘されて、なるほどそうかも、と納得。そうすると、冬の日ざし―低い角度で射しているので、この句のような状況になりやすいーに対する親しみをあらわした句ということになり、こちらの方が詩情としては豊かに思われる。

(句帳から)

湖に突き出た陸地冬桜

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