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番町句会(9/15) [俳句]

きょうのお題は「太刀魚」と「甘蔗」。

(選句用紙から)

雲黒く海昏き日も甘蔗

 「涙そうそう」の「晴れ渡る日も雨の日も」を連想するのだけど、国内でサトウキビを詠むとすれば、和三盆の原料となる竹糖を除けば、どうしたって沖縄のサトウキビ畑ということになる。で、青空とか青い海とかがお約束のようになってしまいがちなのだけれども、南西諸島はまた台風や過酷な気象条件の影響を受けてきた場所でもあって、そのようなサトウキビ畑も、またその場所の季節を形作る上での重要な事実である。

お隣も同じ間取や秋刀魚焼く

あまりによくわかる―映画のワンシーンを切り取ったような―句なので「つきすぎなのでは?」と議論になる。お隣も同じ間取り、ということからして、これは集合住宅、それも鉄筋のマンションなんかではなく、庭先で秋刀魚が焼けるような長屋(関西なら「文化住宅」か)ということになる。そのうちの1軒で夕餉に秋刀魚を焼いていると、その煙とかにおいとかが、隣にもその隣にも流れていく…という風景。しかし、そういう長屋に住んだり見たりしたことのない世代もいるかもしれず、そうすると、数十年後にはこの句も注釈が必要になるのだろうか。


(句帳から)

甘蔗畑の先に不意に崖
圏外となりて楽しき野路の秋

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