第119回深夜句会(4/19) [俳句]
投句を準備するため「マメヒコ」でお茶をいただきながら掲示物を見ていてびっくり。宇田川町店(旧渋谷店)が6月末で閉店するという。これはたいへん残念。
(選句用紙から)
朝寝しておからを口に含みけり
春の休日の至福。ゆうべの残りのおからであろうか。なんだったら、朝からすこし酒をいただいてもいいぐらいの気分。夏や冬は論外だし、秋よりも春のほうが「はまる」ので、季題が動かないことにも感心する。
裏山のシンボルの木の蔦若葉
季題「蔦若葉」で春。
家か学校か、勤め先なのか、その背後に「裏山」といえるような起伏があって、さらにその「裏山」に、シンボルと目される大きな木が植わっている。で、そのシンボルの木がどうなったかと思いながら読んでいくと、その木に蔦が巻きついていて、それが一斉に若葉を生やしているという一句。木はまだ芽吹いていないのか、それとも常緑樹なのかは定かでないが、ともかくシンボルツリーの蔦若葉だという。一見、それがどうしたのと言われそうだが、作者と「シンボルの木」のあいだに、ちょうど蔦若葉が見て取れるぐらいの距離があること、また「シンボルの木」が認知されるような共同体の存在など、背景から汲みだせることは多い。
わが猫の一匹をらず月朧
季題「朧月」で春。
帰宅してみると、何匹かの飼い猫のうちの一匹が見当たらない。外は朧月夜。さてどこでどうしているのか、ちょっと心配しつつも、外でデートを楽しんでいるのかとも思ったりする。人によっては「月朧」がつきすぎと感じられるかもしれないが、私にはほどよいファンタジー風味(ここでほどよいとは、狙ってそうしたものではなく、結果としてそう感じられるという意味)で好ましく思われる。
(句帳から)
高尾行河口湖行山笑ふ
(選句用紙から)
朝寝しておからを口に含みけり
春の休日の至福。ゆうべの残りのおからであろうか。なんだったら、朝からすこし酒をいただいてもいいぐらいの気分。夏や冬は論外だし、秋よりも春のほうが「はまる」ので、季題が動かないことにも感心する。
裏山のシンボルの木の蔦若葉
季題「蔦若葉」で春。
家か学校か、勤め先なのか、その背後に「裏山」といえるような起伏があって、さらにその「裏山」に、シンボルと目される大きな木が植わっている。で、そのシンボルの木がどうなったかと思いながら読んでいくと、その木に蔦が巻きついていて、それが一斉に若葉を生やしているという一句。木はまだ芽吹いていないのか、それとも常緑樹なのかは定かでないが、ともかくシンボルツリーの蔦若葉だという。一見、それがどうしたのと言われそうだが、作者と「シンボルの木」のあいだに、ちょうど蔦若葉が見て取れるぐらいの距離があること、また「シンボルの木」が認知されるような共同体の存在など、背景から汲みだせることは多い。
わが猫の一匹をらず月朧
季題「朧月」で春。
帰宅してみると、何匹かの飼い猫のうちの一匹が見当たらない。外は朧月夜。さてどこでどうしているのか、ちょっと心配しつつも、外でデートを楽しんでいるのかとも思ったりする。人によっては「月朧」がつきすぎと感じられるかもしれないが、私にはほどよいファンタジー風味(ここでほどよいとは、狙ってそうしたものではなく、結果としてそう感じられるという意味)で好ましく思われる。
(句帳から)
高尾行河口湖行山笑ふ
2018-05-14 02:28
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