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第101回深夜句会(10/13) [俳句]

(選句用紙から)

雨だれの地に触るる音蚯蚓鳴く

季題「蚯蚓鳴く」で秋。地虫鳴くとか蚯蚓鳴くとかって、実際の虫の音というより、何かそのような音がするように感じられる、という趣旨なのだけど、ここで描かれている風景は、秋の雨が降り続いていて、その雨だれが地に「触れる」そのあるかないかの触れる音がずっと続いているのと呼応するように、蚯蚓の鳴く音が続いているように感じられる、という句意。巧みなのは、地を穿つ音とか地に跳ねる音とか(ぴちゃっという音)ではなく、あるのかないのかわからないような、地に「触るる」音、を持ってきたところ。どんな音なのであろうか、と読み手は一瞬考えるわけだけど、その「どんな音なのであろうか」がそのまま、蚯蚓鳴くにつながっていく。

かつて見し案山子を描いてくれにけり

季題「案山子」で秋。ちょっと入り組んだ状況で、目の前に案山子があるわけではなく、自分と話している誰かが、かつてどこかで見た案山子を絵に描いてくれた、ということか。その案山子が、よほど変った姿かたちをしていたのであろう。それがどんな形なのか一向にわからないところに弱点があるのだけど、広告の裏とかスケッチブックとかに風変わりな案山子の絵を描いて、自分のために説明してくれた、という一連の所作に感興を覚える、ということなのだろう。


(句帳から)

やや寒や街灯の下長電話
四十雀小学校の日曜日
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