第96回深夜句会(4/14) [俳句]
句会が終りかけた時間に、熊本で大地震。
(選句用紙から)
物思ふぺんぺん草をひつこ抜き
季題「ぺんぺん草」(薺の花)で春。
「物思ふ」を上五に置いていったん切る。後にありきたりな話が続くと、陳腐な一句になってしまうのだけど、何もないことの象徴ともいえる「ぺんぺん草」が来ることから、なんとも不景気な中七下五で、庭の草取りをしながら、心ここにあらずというか、春の愁い(それ自体も季題なのだけど)に満たされている。最後「ひっこ抜き」でもう一度「物思ふ」に返しているところも手堅い。
みっしりと咲き連ねたる桃の花
季題「桃の花」で春。白や桃色をした桃の花は、縦方向に長い桃の枝に、花だけが数珠繋ぎになったようにして咲いている(花蘇芳なんかもそういう咲き方をしますね)。それを「みっしりと」「咲き連ねたる」と表現したところにこの句の取り柄があるのだろう。説明でありながら、説明調に陥らずに踏みとどまっているところもよい。
(句帳から)
花冷や注記の多い決算書
小さな傘大きな傘に花の雨
花すこしこぼれ落ちたり花御堂
(選句用紙から)
物思ふぺんぺん草をひつこ抜き
季題「ぺんぺん草」(薺の花)で春。
「物思ふ」を上五に置いていったん切る。後にありきたりな話が続くと、陳腐な一句になってしまうのだけど、何もないことの象徴ともいえる「ぺんぺん草」が来ることから、なんとも不景気な中七下五で、庭の草取りをしながら、心ここにあらずというか、春の愁い(それ自体も季題なのだけど)に満たされている。最後「ひっこ抜き」でもう一度「物思ふ」に返しているところも手堅い。
みっしりと咲き連ねたる桃の花
季題「桃の花」で春。白や桃色をした桃の花は、縦方向に長い桃の枝に、花だけが数珠繋ぎになったようにして咲いている(花蘇芳なんかもそういう咲き方をしますね)。それを「みっしりと」「咲き連ねたる」と表現したところにこの句の取り柄があるのだろう。説明でありながら、説明調に陥らずに踏みとどまっているところもよい。
(句帳から)
花冷や注記の多い決算書
小さな傘大きな傘に花の雨
花すこしこぼれ落ちたり花御堂
2016-05-10 23:38
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