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番町句会(1/9) [俳句]

きょうの席題は「麦の芽」「碧梧桐忌」。難しい。

(清記用紙から)

初競りの河豚転がされふて腐れ

季題「初競り」で新年。河豚も冬の季題だが、ここではより個別性が強い「初競り」が季題に。
お祝儀相場ということばがあるけれど、そんな高値のつくような正月の競りの、その足元をふと見ると、青いプラスチックの箱に河豚が無造作にごろごろ放り込まれている。むろん初競りでなくても普段から転がされているのだけど、もっと細長い魚だと向きを揃えて入れられたりするところ、高価な魚であるのにこの扱いとは、と河豚がふて腐れているように見える。
「ふぐ」と「ふて腐れ」、「され」「腐れ」で頭韻脚韻揃っているリズムの巧みさも目を引く。

ベルギーは山無き大地麦は芽を

季題「麦の芽」で冬。
むろん日本でも麦は栽培されているのだけど、「麦秋」ぐらいならともかく、「麦の芽」となると、日本で実際に見る機会は少なくなってくる。この句ではベルギーになっているのだけど、山間地でなく真っ平らあるいはわずかな起伏を伴って続いていく畑に、緑の点をまき散らしたように麦の芽が出ている、という風景。土の色や畑の形などが想像される。

(句帳から)

麦の芽のかなたに古城見ゆるかな
初明り部屋にさしこみ静かなる
踏切が鳴つて二両の初電車
退職の仔細をホットウイスキー
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