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マーガレット礼拝堂オルガンレクチャーコンサートシリーズ10「編曲の愉しみ〜オルガン曲になった名曲たち」 [音楽]

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前半は、この礼拝堂のオルガニスト岩崎真美子さんによる「日本におけるオルガン(パイプオルガン)の受容」ともいうべきレクチャー。戦前に海外から持ち込まれたオルガンのほとんどは戦災で烏有に帰したが、教会以外の場所に広くオルガンが置かれるようになったきっかけが1972年のNHKホールだったこと、そのオルガンが「紅白歌合戦」で使われたことで、オルガンが多くの人に認知されるようになったことなど。

その後、コンサートホールや学校などさまざまな場所にオルガンが置かれるようになり(築地本願寺にもオルガンがあり、仏教讃歌のようなものが演奏されているという)、現在550を超えるオルガンが全国にあるが、その中で日本独特の現象として、「結婚式場のオルガン」がたくさんあるのだという。なるほど。面白いことに(いや、面白がってはいけないのだけど)、コンサートホールのオルガンは、オルガン曲で人を集めることが難しいので、その多くが稼働率の低さに悩んでいるのに対して、結婚式場のオルガンは、なにしろビジネスであるからして、結婚式のたびに日々しっかり稼働しているのだそうだ。

オルガン自体についていえば、1970年ごろからのエレクトロニクス化の進展で、演奏席とオルガンを分離することができるようになり、また、あらかじめ設定したプログラム通りに多くのストップを操作するといったことも可能になっているという。これでオルガンの名曲がよく知られるようになれば、せっかくのオルガンがもっと活躍できてよいのだけど…オルガニストをめざす男の子か女の子を主人公にした漫画とか、できないものですかね。

後半は、ディジョン大聖堂のオルガニストであるモーリス・クレールさんによる演奏で、時代に沿って16世紀から20世紀までの「教会音楽でない」オルガン曲の数々。1曲目に演奏されたC.Gervaiseという16世紀のフランスの作曲家の「古典舞踊組曲」を聴くと、素朴に楽しい曲で、その時代を彷彿とさせるというか、バッハの音楽に多くの舞曲が取り入れられている理由がわかるような気がした。

(20143.9.27 聖マーガレット礼拝堂)

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