夏潮稽古会3日目(8/29) [俳句]
さて最終日。朝食に続いて午前中の句会をもって日程終了。
このロッジで、水芭蕉の頃とか紅葉の頃とか真冬にも稽古会ができるといいのだけど。
(選句用紙から)
刷雲に触るるばかりの帰燕かな
季題「燕帰る」で秋。
刷雲(はけぐも)は巻雲(けんうん)の別称で、青空に刷毛で引き延ばしたような薄い雲。空の高いところにかかる雲であって、かつ、比較的いい天気であることが了解されるので、山の風景であるように思われる(これが「積乱雲」だったら、風景は全然違ったおもむきになる)。空高くに筋目のように伸びる白い雲に、さらに触れるかのようにしながら次第に数を増やし、越冬のため南へ帰っていく燕の姿が浮かぶ。大きな風景でありながら血が通った温かさを感じる一句。
もう一度松虫草を見にゆかな
ロッジの近くに秋草の野原があって、そのところどころに松虫草の薄紫色が見える。かつては分け入って探したりしたものだけど、最近は数が増え、道路から見つけることができるまでになっている。その松虫草の姿を、この旅で逗留しているあいだにもう一度見にゆきたいものだ、いや見にゆかなければ、という一句。
(句帳から)
竜胆のむらさき色の領地かな
屋根の上から霧落ちてきたるかな
吾亦紅から踏み跡が山頂へ
白樺の白の先まで爽やかに
2014-09-13 09:55
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