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送別句会(3/2) [俳句]

京都へ赴任される句友との別れを惜しんで、吟行会と宴会。
雨の新宿御苑には、梅、寒桜、まんさく、山茱萸などが静かに咲いている。2月上旬の大雪で大木の枝があちこちで折れたようで、その傷口がまだ生々しく、また通行が規制されている場所も多い。

cornus.jpeg

(選句用紙から)

汚せしも濯げるも雨水仙花

季題「水仙」で冬。水仙はそれほど丈が高くないから、冬から春への雨がはねあげた泥のせいで汚れてしまうことも多い。その汚れた水仙に、いま雨が降り注いで、今度は汚れを洗い流そうとしている。水仙を汚すのも、またすすぎ直すのも雨だが、そうした時間の経過のなかで、ゆっくりと春が近づいてくる。
「汚せるも」「濯げるも」ではなく、「汚せしも」「濯げるも」であることが眼目。あまり正確に言おうとすると俳句が説明に陥ってしまうのだけど、この句はリズムの良さでそれを感じさせない。

洛へ発つ君を送るに宵節句

季題「宵節句」で春…五節句のなかでも桃の節句には、前の晩にお祝いをする風習があるそうだが(宵節句)、京の都へ出立する君を送ろうとするその宴が催されているきょうは、ちょうどその宵節句にあたることよ。
「宵節句」が季題として定着しているかについては、師匠から説明があったが、この句の場合、行き先が京都であることと、平安時代の貴族の遊びにゆかりのある雛祭とが響き合って、余情ゆたかな送別の句になっている。

(句帳から)

山茱萸や径(こみち)を塞ぎ黄色なる
雪折れに黄色と黒のロープ張る
あはあはと異国のにほひ室の花

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