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番町句会(12/13) [俳句]

12月それも10日をすぎると、時間の経過がどんどん加速していくのは仕方のないところ。
そんな中で時間をやりくりして、句座を囲めることの幸せを感じながら清記用紙を回す。

IMG_0225.jpg

(選句用紙から)

湯豆腐の湯気の如くに老夫婦

季題「湯豆腐」で冬。こういう心境に達してみたいものです。湯豆腐というとどうしても万太郎の「湯豆腐やいのちのはてのうすあかり」のような人情俳句に引きずられてしまうのだけど、この句はそれとも少し違っていて、しかし湯気のように「温かい」のか、湯気のように「実体がない」のか、具体的にどうとはいわずにおくところも面白い。

小春日や引越の荷の捌けゆく

季題「小春日」で初冬。
引越しの荷が「捌ける」というところから、箱詰めされて積み重ねられた段ボール箱が小春日を受けながら次々に運び出されてゆくところを想像したが、師匠の鑑賞は逆に、「運び込まれて積み重ねられた段ボール箱が、小春日のいい天気の中で次々に開梱されて片づけられてゆく」というもので、なるほどそう考えると季題が動かない。搬出のほうは、天気がよかろうが悪かろうが決められたとおりに行われるわけなので。

(句帳から)

目を閉ぢて黒犬日向ぼこりかな
電飾のあちこち欠けてクリスマス
這ひ登りかけたるままに枯蔦に
湯豆腐のおひとり様の小鍋かな
白鳥の助走の後が川面


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