SSブログ

第67回深夜句会(11/14) [俳句]

きょうは芭蕉の忌日なので、なんとか芭蕉忌(桃青忌、翁の忌とも)の句を出そうと考えるがうまくいかない。ああでもないこうでもないと考えはじめると大体もうダメ。

(選句用紙から)

丼は井に一点や冬の雲

天ぷら屋の看板か、のれんか、メニューか、冬の雲が見えることとつじつまを合わせるなら看板であろうか、いずれにしても「丼は井に一点や」の突き抜けたばかばかしさを、「冬の雲」にあえてぶつけてきたところが爽快。かねがね「鰯雲人に告ぐべきことならず」式に、季題をダシに使って、季題と関係ない訳あり風なことをぶつける俳句が鼻に付く(そういう技法なのだという理屈はあるにしても)なあと思っていたので、これは痛快。しかしここまで突き抜けるのは、やろうと思って努力してもなかなかできない―できそうでできない―ことでもある。


半球の空にギザあり渡り鳥

空が半球であるような広い見晴らしのよい場所にいて、しかもその半球には、数羽や数十羽の単位でなく、莫大な数で編隊を組んでいるー文字通り雁行というべきかー渡り鳥によるギザギザが刻まれている。かぎ裂きのあるドーム!しかもそのギザギザは、青い半球のなかを刻々と移ろっていく。

枯芝に寝つ転がれば摩天楼

これもまた「摩天楼より新緑がパセリほど」を思い出させるが、こちらは逆に、セントラルパーク(であろうか)の枯芝に寝ころぶと、仰向けになったその視界に摩天楼がつんつん入り込んでいる、という風景。「寝つ転がれば」のぶっきらぼうな感じがこの句を生かしている。

(句帳から)

門前に蕎麦屋豆腐屋片時雨
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0