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パノハ弦楽四重奏団 [音楽]

弦楽四重奏が好きだ。

初めて弦楽四重奏を楽しいと感じたのは、高校時代にFM放送で聞いたアルバン・ベルク弦楽四重奏団のライブで、音源はおそらく、オーストリア放送協会から提供されたものと記憶している。曲はモーツァルトの弦楽四重奏曲第21番K.575だった。あとから思うに、この曲はチェロが他のパートに負けじと歌うので、それも印象に残った原因かもしれない。ラジオだからメンバーを読みあげるのだけど、当時まだハット・バイエルレがヴィオラを弾いていて、変わった名前だなぁと思ったことを覚えている。

弦楽四重奏が楽しいのは、一つには、曲の構造が聴覚的にも視覚的にも理解しやすいから。また、その響きからフルオーケストラの豊かな響きとか協奏曲の独奏者とそれ以外の響き、さらにはジャズの掛け合い(コール&レスポンス)のようなものまで想像できるからだと勝手に思っている。従って、第一ヴァイオリンだけがいい気持になって他の3人は伴奏するだけ、みたいな曲は願い下げである。

ずっと下って1990年、数日間滞在しただけのロンドンでTime Out誌をぱらぱらめくっていたら、ロイヤルフェスティバルホールでアルバン・ベルクSQのライブがある。曲目はすっかり忘れてしまったが、初めてナマで聴くアルバン・ベルクSQの演奏が恐ろしく精緻だったことと、当日でもチケットが買え、しかもそれがえらく安かったことを覚えている。
(いま記録を探したら、モーツァルトの弦楽四重奏曲第14番K.387(春)、ヤナーチェクの弦楽四重奏曲第2番(ないしょの手紙)、ブラームスの弦楽四重奏曲第2番の3曲で、チケットは10ポンドだった(!))

それはともかく、パノハSQのオール・ドヴォルザーク・プログラムとなれば行きたくないわけがない。平日晩のチケットを買うと、十中八九は紙くずになってしまうのだが、きょうはさまざまな仕掛けと段取りが功を奏して、幸運にも会場にたどりつくことができた。初めてナマで聴くその音色は、ベルベットというよりフランネルのような素朴で温かみのある響き。精密機械のようなすっきり感&スピード感で聴かせるカルテットも好きだけど、ドヴォルザークの曲は、やっぱりこういう音じゃないと。

アンコールの2曲は、いずれもモーツァルトの弦楽四重奏曲から。ああしかし、せっかくサイン会がセッティングされていたのに、家からCD持ってくるのを忘れた。

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(2013.11.7 武蔵野市民文化会館)
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コメント 2

和声

弦楽四重奏というのは、とても楽しめる編成ですね。私自身は声楽のカルテットをやっていますが、テノールですから楽器に置き換えるとヴィオラですね。お互いに聴き合いながら歌うので、時にはソプラノが主役、又ある時はバスが主役であったりして、最後は全体の響きで皆が楽しめる場合が多いですね。
弦楽の場合も、第一ヴァイオリンが引っ張っている場合も結構ありますが、同じ曲でもメンバーによってはバランスがだいぶ違ったりしますね。
ドヴォルザークの弦楽四重奏というと「アメリカ」など上の娘が良く弾いていました。彼女はヴィオラですが、オーケストラの時よりもヴィオラの存在感が大きくて、より楽しんでいる感じですね。秋が深まって来ると、ブラームスの弦楽六重奏が聴きたくなります。これからCDを引っ張り出して来る事にします。
by 和声 (2013-11-19 23:46) 

やぶ

和声さん、こんばんは&コメントありがとうございます。
「アメリカ」の第一楽章冒頭で有名な第一主題を歌うのはヴィオラですし、この曲はヴィオラ気持ちいいだろうな〜と思います。ご指摘のとおり、声楽のカルテットもSATBで同じような楽しさがあるのでしょうね。秋が深まると、またいろいろな曲が聴きたくなりますね。
by やぶ (2013-11-25 00:38) 

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