第63回深夜句会(7/25) [俳句]
本試験まであと2週間を切ったが、この句会には行かないと。
(選句用紙から)
わが顔を舐め去りて蠅いま妻に
季題「蠅」で夏。
こういう俳句って、どういう修練をすれば詠めるのだろうか。ことさらに仕掛けたり狙ったりしているものではないのだが、妻の「ぎゃー!」という絶叫なども想像され、なんともいえないねっちりとした諧謔味とむずむず感。
ビールジョッキがこんがこんと乾杯す
季題「ビール」で夏。「ビール」「ジョッキ」「乾杯」とくれば、私の頭では磨り減ったゴム印のような陳腐な俳句しか浮かばないが、この句の眼目は「がこんがこん」。かなり大きく重いジョッキでないと、「がこんがこん」にはならないし、その重いジョッキをしっかり持ちあげて「がこんがこん」と順繰りに乾杯しているのだから、形ばかりの乾杯ではなく、何かをやり遂げたあとの充実感ある乾杯になるだろう。
地下鉄の入口までの白雨かな
季題「白雨」で夏。白雨は、夕立やにわか雨を指すことば。
入口「まで」、をどう解するかで風景が変わってくる。夕立がざあざあ降っている中、ビルを通り抜けて(あるいはビルの軒下を伝って)地下鉄の入口近くまで来たが、最後の十数メートルは白雨の中を突っ切っていかなければならない。で、入口までたどり着いてしまうと当たり前だが豪雨とは別世界になっている…と解釈した。
「町を歩いていたら夕立にあったので傘をさし、地下鉄の入口まで歩いた」と読めなくもないが、「まで」の意味が立たず、普通すぎて感興を覚えない。
(句帳から)
アイスティーぬるくなるまで会議かな
色鉛筆で描きしごとく早桃かな
(選句用紙から)
わが顔を舐め去りて蠅いま妻に
季題「蠅」で夏。
こういう俳句って、どういう修練をすれば詠めるのだろうか。ことさらに仕掛けたり狙ったりしているものではないのだが、妻の「ぎゃー!」という絶叫なども想像され、なんともいえないねっちりとした諧謔味とむずむず感。
ビールジョッキがこんがこんと乾杯す
季題「ビール」で夏。「ビール」「ジョッキ」「乾杯」とくれば、私の頭では磨り減ったゴム印のような陳腐な俳句しか浮かばないが、この句の眼目は「がこんがこん」。かなり大きく重いジョッキでないと、「がこんがこん」にはならないし、その重いジョッキをしっかり持ちあげて「がこんがこん」と順繰りに乾杯しているのだから、形ばかりの乾杯ではなく、何かをやり遂げたあとの充実感ある乾杯になるだろう。
地下鉄の入口までの白雨かな
季題「白雨」で夏。白雨は、夕立やにわか雨を指すことば。
入口「まで」、をどう解するかで風景が変わってくる。夕立がざあざあ降っている中、ビルを通り抜けて(あるいはビルの軒下を伝って)地下鉄の入口近くまで来たが、最後の十数メートルは白雨の中を突っ切っていかなければならない。で、入口までたどり着いてしまうと当たり前だが豪雨とは別世界になっている…と解釈した。
「町を歩いていたら夕立にあったので傘をさし、地下鉄の入口まで歩いた」と読めなくもないが、「まで」の意味が立たず、普通すぎて感興を覚えない。
(句帳から)
アイスティーぬるくなるまで会議かな
色鉛筆で描きしごとく早桃かな
2013-08-07 22:55
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