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Coast to Coast Walk (第12日:Littlebeck→Robin Hood's Bay) [ウォーキング]

 Littlebeckの村は谷底にあるので,しばらくは小川に沿って森の中の道をゆく。ガイドブックに「森の中にhermitageがある」と書いてあって,なんで森の中にエルミタージュ(美術館?)があるんだろうと思っていたら,hermitageって「隠者のすみか」というような意味なんですね。すみませんこの年まで知りませんでした。
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 滝を横切って谷を登り,ムーアの上に出ると,ヒースが咲いて薄紫色になったムーアはきのうの雨で深いぬかるみ―というより池のような状態。行きつ戻りつしながらルートを探し,ようやく突破する。ガイドブック情報ではその先の(もう一つの)ムーアはもっとひどいということなので,舗装道路を2マイルほど迂回。遠くに海が見え,その海に赤い船腹の貨物船が浮かんでいるのが見える。
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 お昼すぎにはRHBに着くだろうと踏んでIntake Farmにランチパックを頼まなかったのだが,やはりそれなりに時間を要しているうちにお腹が減ってくる。迂回のため舗装道路に出たので(足元を気にする必要がないので),ビスケット,ようかん,soyjoy,ポテチ(←どこかの宿のランチパックについてきたもの。ランチパックはバックパックに詰め込まれる宿命にあるのだから,ポテチを入れたら粉々になってしまうと思うのだが,イギリス人はポテチが好きだなぁ)を次々にぼりぼり食べながら歩く。ついでに,これもどこかの宿でランチパックにつけてくれた超甘いブラックカラントジュースを飲む。普通ならとても飲めない甘さだが,疲れているのであまり甘さを感じない。少なくともコーラよりはおいしい。

Hawskerの村を通り過ぎ,掘立小屋のような休暇用コテージ群を通り抜けると北海の海岸に面した崖の上。初日と同様に海蝕崖の上を歩く。セントビーズの海蝕崖と違っていい天気で,ほとんどぬかるんでいる箇所はない。天気がいい分だけ崖の高さが意識され,ちょっと怖い(安全柵の類はまったくない)。むかし密輸入(密輸出?)の舟を監視していたという小屋を通り過ぎると,やがて行く手に,Robin Hood's Bayの村が見えてくる。
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(空撮映像ではありません!)

 12日間でいったいいくつのゲートを開閉したことかと思いながら「ルート上最後のゲート」を閉めると,斜面に沿ったRHBの村の一番上に出る。事前のリサーチからは,北海の寒風吹きすさぶ人影まばらな村を想像していたのだが,いざ来てみれば,土産物屋やアイスクリーム屋が立ち並ぶ,近隣のお手軽な海浜リゾートめいた場所である。羽幌とか深浦のつもりで来てみたら江ノ島だった,ぐらいの感じ。Tシャツサンダル姿の避暑客がわんさか歩いていて,トレッキングシューズ+スパッツ+麦藁帽のアジア人はかなり目立つ。舟着き場への道をどんどん下りていくと,セントビーズの広々とした海岸とは逆の,狭苦しいコンクリートの岸辺にたどりつく。これにて終了なので,靴先を海水に浸し,出発点で拾ってきた小石を投げこむ(←お約束)

 隣にいた親子連れのお父さんが,「きみ西海岸から歩いてきたの?すごいね!」と喜んでくれる。シャッターを押してもらってようやく,ああ終わったんだな~と思う。もっと歩きたかったのに残念。

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 宿でシャワーと洗濯を済ませ,舟着き場に面したBay Hotelまで歩いて2階のバーでビールを飲んでいると,PeteとSueがやってくる。再会を喜び合い,下の広場に移って飲み続けると,Kerry,Ricky&Freddieの2人と1匹も到着。いゃーよかったよかった。smugllers(密輸団)という名前のレストランで宴会。疲れのせいかあっという間に酔いが回る。

(区間距離12miles,所要時間5時間10分)
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ろく

 ついに「完歩」あいなったご様子、おめでとうございます。めでたし、めでたし。(私は秋宮まで歩こうと思い、くじけて、上諏訪駅でタクシーを拾って帰ってきたことがあります)
 イギリスには大学生の時に留学したきり居ついてしまって帰って来ない妹がおりまして、一昨年姪っ子が生まれました。いつか上陸したいと思っているのですが、こうなってしまうとなかなか…。
by ろく (2012-10-04 10:32) 

前北かおる

とうとう大団円ですね。お疲れ様でした。
途中、歌いながら歩くやぶさんを想像したりしながら、こっそり楽しんでおりました。
控えめな「THE END」の看板が素敵です。
by 前北かおる (2012-10-04 22:59) 

やぶ

ろくさま,こんばんは&コメントありがとうございます。
これからの季節,諏訪は歩くにいいですね…ゆっくり歩くためにむりやり時間を作らなければならないというのも何だかなあと思うのですが,それでも,歩いてさえいればまあ楽しいのです。
次の御柱祭(2016年ですか?)に向けて,お互い地道に足腰を鍛えましょう。
by やぶ (2012-10-05 01:20) 

やぶ

かおるさん,こんばんは&コメントありがとうございます。
まあ,スタートもゴールも万事控えめで,ゴールしても叫んだり大騒ぎしたりはせず,しかし静かに喜びをかみしめて宴会はきっちりやる(笑)のがイギリス流ということなんでしょうね。アメリカだったら,ゴール地点はお祭りになると思うんですが。
かおるさんもぜひ,一家でトレッキングを楽しんでください。右足と左足を交互に前に出すだけなので,ゴルフよりずっと簡単かと。
by やぶ (2012-10-05 01:23) 

GO!LEAFS!GO!

完歩ですね。おめでとうございます。次はカナダのcOAST TO cOAST にぜひチャレンジしてください。
読んでいる私も毎日ハラハラドキドキ、途中で薮さんが事故にあったらどうしようかと思っていました。

by GO!LEAFS!GO! (2012-10-05 01:57) 

やぶ

GO!LEAFS!GO!さん,こんばんは&コメントありがとうございます。
北米には,アパラチアン・トレイルやジョン・ミューア・トレイルなど,著名なロングトレイルがいくつもありますので,その一部でも楽しんでみてはいかがでしょうか。
旅行中に事故にあわないのも,旅行者やトレッカーの芸のうちなのかもしれませんね。
by やぶ (2012-10-11 01:25) 

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