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Coast to Coast Walk (第11日:Blakey Ridge→Grosmont→Littlebeck) [ウォーキング]

 朝ごはん何がいい?と聞かれていたので,どの村でも毎日同じもの(ベーコン+ソーセージ+卵+マッシュルーム+トマト)で少々飽きていたこともあり「じゃあ,キッパーいってみましょうか!」と何気なくお願いしたのだけど,いざテーブルについてみると,大きな骨付きのキッパー(にしんの燻製)が出てきてたじろぐ。これでは焼き魚定食(大盛り)だ。この国はどうしても,朝から満腹するしかけになっている。

 居心地のいいこの宿で1日ゆっくりしていたいが,きょうも17マイル歩かなければならない。悪いことに天気予報は午後2時過ぎから雨の予想。それも強い雨になるという。天気予報の画面をこれほど真剣に見ることは珍しい。風の強い場所で大雨に降られると悲惨なので,なるべく雨の中を歩かなくてもすむようにピッチを上げて歩く。

 途中までは地図の読みがよく当たり(本来なら当たるとか外すというようなものではないが),どんどん距離を稼ぐ。Glaisdaleへの長い明るい尾根道を下り切ると,ようやく人家が現れてほっとする。

 しかしここで油断したのか,GlaisdaleからEgton Bridgeまで森の中を抜けるルートで,footpathの入り口を間違えて別のルートに入ってしまい,森の中を東に進むべきところ南に大きく進んでしまった。農場のような場所に出て,「ここはどこなんだろう?」と地図上で現在位置を確認して絶句する。三角形の2辺を行く形になってしまい,20分以上ロスした感じ。雨の前にこのロスは痛い。

Glaisdale.JPG

Grosmontの保存鉄道をゆっくり見学する間もなく,バックパックからポールを外して村はずれの登りにかかる。自動車が通れる道とは思えないほどの急な登り(本当だろうか…道路標識には33%と表示されている)を,前かがみでポールを使いながら登る。登山道ならともかく,自動車が通る舗装道路でこの勾配って一体何なのだろう。
33%.jpg
(他のサイトから借用した画像)

前かがみになり,ポールの助けを借りてやっとの思いで登りきると,ムーアの上は南東からの強風が荒れ狂っている。これはいったい——イギリス名物ともいうべきGALEだ。風の音がすごいので,時々後ろから来る車に全く気付かない。バックパックのショルダーストラップの胸の部分にくくりつけたチョークバッグが風をはらんで,吹流しのように逆立って顔にぶつかってくる。ありえん。

強風で麦藁帽子を飛ばされそうになるので手で押さえなければならず,歩くスピードががくっと落ちる。そのうちに麦藁帽子のあごひもの,帽子側の留め金が片方ちぎれてしまい,もう一度結び直してなんとか使い続ける。いま飛ばされたら回収不可能。

イギリスの新聞やテレビで天気図を見ていると,ときどき「GALES」という太い矢印が現れるが,まともにくらうとかなり呼吸が苦しいことを実感。あまりにひどくなると立ち止まって前かがみでポールをついてやりすごすのだが,こんな場所で耐風姿勢って一体何なんだ。もし今ここで雨が降り始めたら(そろそろ2時だし),ポンチョは風をはらんでしまうから上下ともレインウェアでいくしかないが,暴風雨の中でバックパックを下ろして着替えるなんて考えるだけでぞっとする。傘は1秒未満で壊れるので問題外。

black brow.JPG

ムーアから斜面を下り,Intake farmまであと50メートル足らずのところでついに雨がぽつぽつ降り始める。なんとか間に合ってよかった。牛小屋と納屋の間を通り抜けて母屋にたどりつくと,きのうとはだいぶ趣が違うが,これはこれで楽しい宿。おかみさんに台所で紅茶を入れてもらい,トラクター(ドイツ製!)のカタログDVDを2人で鑑賞する。部屋へ戻ってシャワーを浴び,洗濯を済ませるころには本降りになる。これで明日はぬかるみ確実。
P1030478.jpg

(区間距離17miles,所要時間6時間30分)
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