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Coast to Coast Walk (第7日:Kirkby Stephen→Keld) [ウォーキング]

 朝一番に帽子を買おうと村のアウトドアショップの前で待つが,開店時間の9時になっても開かない。数分待ったが何の気配もないので諦め,向かいにある雑貨屋で「なにか帽子のたぐいはないですかね…」と尋ねたら,見切処分品のバスケットに入っていた麦藁帽子をわずか3ポンドで売ってくれた。おお。
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 その麦藁帽子をかぶり,あごひもを結んで歩きはじめると,ちょうどScott率いるパーティが村の東にかかる橋を渡って出ていくところが見える。その後尾について歩きはじめる。大人数の団体なので,自分の歩くペースよりわずかに遅く,ときどき止まるが,きょうは1日ついていくつもりなので,その都度自分も止まって休憩する。ガイドをただで利用していることになるが,みんな笑って許してくれる。けっこう高齢のご婦人もいるが,まあまあのペースで進んでいくので,いらいらすることはない。

 前を歩く人に続いて坂を上っていると,どうしても背中のバックパックが目に入るのだけど,日本の山で見かけるより質素で地味なものが多い。道具に凝る暇があったら体力鍛えておけ,ということでしょう。メーカーでいえばOsprey,Berghaus,Karrimorの3社が比較的多いか。ちょっと目立つのは,ハイドレーションを使っている人がやや多い(2~3割ぐらい)こと。長時間歩き続けるロングトレイルでは,バックパックを外さずに(=立ち止まらずに)給水できるメリットは大きいと思う。あるいは,もともとトレイルランを趣味にしている人がCtoCに挑戦するケースが多いということなのかもしれない。

 登り始めて2時間足らずできょうのピーク地点Nine standards riggに到達。巨大な石積みがいくつも並んでいる不思議な場所。ここでまたまたKerryとRIckyとレトリーバーのFreddieの2人と1匹に遭遇。L.L.Beanの2人も。
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 このピークは,ブリテン島の背骨にあたるペニン山脈のピークであるだけでなく,東側(北海)と西側(アイリッシュ海)の分水嶺でもある。ようやくここまで来た。
 さてピークからの下り。これが難しい。ルートは3つ(ブルー・レッド・グリーン)あって,浸食を避けるために季節ごとに使い分けられている。8〜11月はブルールートが指定されているが,一番ぬかるみの具合がひどいのがブルー,その次が5〜7月のレッドになる。12〜4月のグリーンはNine standards riggまで登らずに下を巻いていくので,悪天候時と冬季用という位置づけか。

 で,Scottはレッドルートを下るつもりらしく,慎重に南へ進んでいく。ブルールートに比べると,はっきりしない尾根とはいえ尾根筋なのだが,平らな分だけ水がよくたまっていて,あちこちに深いぬかるみがありけっこう沈む。足首まで泥まみれになる者が続出。自分はトレッキングポールで体重を分散しているせいか,きょうはほとんど泥にはまらずに済んでいる。
 次第に高度を落としながら最後に林道に出るとほっと一息。難所を超えた安堵感がみなの顔にも表れている。近くの避難小屋で昼食。みんなけっこうな量を食べている。
 草原の林道を歩いて,Ravenseat Farmでお茶。近づいていくと,「子ども放し飼いにつき注意」という看板があって笑える。ジョークを解説するのは野暮だが,このあたりの農家は「放し飼い鶏の卵」の看板を出して売っていることが多いので,通りがかった人はにやっと笑う寸法。
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 大人数がいきなりお茶に押しかけたので,農場のおばさんは小学生の娘まで動員して大忙し。こんなときでも「じゃあ私も紅茶で」とはならず,みんな違ったものを頼む(コーヒーがいいとか,スコーンくれとか,セブンアップとか)のが面白いが,註文を受けるおばさんは大変。
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 自動車道路に戻り,Keldの村の近くまで来たところで,道ばたに数日ぶりにヤナギランを発見。このあたりがちょうど95マイル地点つまり全行程の半分まで来たことになる。やっと半分。
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 Keld lodgeでお茶を飲んでいると,ブルールートに下りていったKerryがビニールのシューカバーを履いてビールを飲んでいるのに遭遇。ブルールートどうだった?と聞くと,膝まで泥にはまって,いま靴とパンツを丸洗いしてきたという。膝まで!膝まではまったら,このまま全身沈むのではという恐怖感に囚われそう。

 Keld Lodgeのおやじさん(ご夫婦で経営している)は,もともとトレッキング好きで,2年前にこの建物を買い取ってロッジを開業したという。お客の大半はトレッカーである。ランチパックを頼むのに申込用紙があって,サンドイッチの種類とか飲み物とか果物とかポテチの要否(!)とかを記入するようになっているのも気がきいている。Swaledaleの一番奥にあるこの村は,夜はかなり寒くなるが,このロッジにはなんと,スキー宿のような乾燥室があって,24時間暖房がガンガン焚かれている。流し台でありったけの洗濯をして干すと,あっという間に乾く。すばらしい。ついでに靴とインソールも乾かす。おいしい晩ごはんをいただき極楽。これでシャワーが共同でなければ,120点なのだけど。

(区間距離11miles,所要時間5時間30分)
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