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Coast to Coast Walk (第6日:Shap→Kirkby Stephen) [ウォーキング]

 朝からいい天気。
 きょうはこれまでの5日間と違って,山より丘のような比較的平坦な地形を東へ進んでいく。極端な登り下りはないが,その代わりだらだらと長い距離を歩かなければならない。寒さの心配はないので,グラスミアで買った半袖シャツを試すことにする。ビレッジストアでサンドイッチを買って出発。村外れの細い歩道橋でWest Coast MainlineとM6をまたぐ。大きな石切場の横を歩いていると,フェンスのむこうは採石のために大きくえぐられて崖になったりしている。

 日差しが強い。西から東へ歩いていくと,午前中は右前方から,午後は右側から日が当たっていることが多いので,あまりいい天気になるとまぶしくて困る。帽子を失くして補充できていないので,少し額の前に出るように工夫して手拭を頭に巻きつける。
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 66マイル地点の先で道に迷う。斜面を登りながら石灰岩まじりの牧草地を南東から東南東に(やや左に)ゆっくり曲るように地図には描いてある(標高357地点の手前)のだが,手前で強く曲ってしまい,場所がわからなくなる。
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うろうろしたあげく元の場所に戻ると,さっきOddendaleで追い抜いたご夫婦がずっと先を歩いているので,だいぶ道を反れてしまっていたことに気付く。しかし今日は人が少ないなぁ。Shapを出てからこのご夫婦しか見かけていない。追いついて「いやー見事に道がわからなくなりました」と笑ってからしばらく一緒に歩いていると,道の両脇のヒースの話になり,「ヨークシャーのムーアのヒースは,来週咲きはじめるらしいから,私たちが歩くころにはすごくきれいだと思うわ」と教えてもらう。すばらしい。

 Ortonの村外れまできたところで正午。暑いのとまぶしいのでだいぶ消耗している。グラスミアとパターデールの間で見かけたL.L.Beanの二人連れに追いつく。道端の農場がテントとベンチをしつらえて野茶屋をやっている。「CtoC 11miles to K.Stephen Last chance for Refreshments」と看板に書かれているのに激しく心惹かれる(中央下,"SCAR SIDE FARM"の下の看板)。
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ここでお弁当にしようか…しかし団体さんがいるので,もう少し歩こうと決めて歩き出したとたん,その団体さんが農場から出てきて,しばらく一緒に歩くことになる。2日前にパターデールからの登りで見かけたパーティーであることに気付く。12人ぐらいのパーティーなのだが,日本で山を歩いているときのように1列縦隊で先頭にサブリーダー,後尾にリーダーというしっかりした感じではなく,なんとなくぞろぞろついていく感じ。話を聞いてみると,募られてオーストラリアから来たという。石垣で細かく区切られた牧草地を,ゲートやスタイルを越えて何区画も越えていく。

 73マイルあたりでパーティが後ろに遠ざかり,再び単独になる。ちょうど道がムーアにかかり,再び地図とコンパスを使って慎重に進んでいく。ムーアを歩くといっても,踏跡がはっきりしているときは,曲がる場所で曲がる方向を確認して進んでいけばいいのだが,はっきりしないときに方向を変えてすすむのはけっこう難しい。74マイル地点で,「はっきりしない南への踏跡」から「はっきりしない東への踏跡」へ90度曲がる箇所がある。さきほどの失敗に懲りて,周囲の地形との関係も考えながら真剣に検討する。ついでにここでお昼。座ると足が苦しくなるので,立ったままサンドイッチをほおばり,レモン水を飲む。
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(↑方向を確認しながら,あるかないかの踏み跡をたどっていく)

 幸いここではコースを外れることなく,かすかな踏跡をたどって東へ進む。やがて気付いたのだが,牧草地の羊が石積みの壁の日影にびっしり集まっている。羊にもきょうは特に暑いということなんだろうな。森の中を歩くとき以外は全く日差しを避けることができないので,とても暑い。それに,牧草地の地面はトラクターが入って凹凸があるのだけど,その上に草が生えてその凹凸を隠しているので,けっこう歩きにくく足首に負担がかかる。くるぶしのマメを悪化させないように靴ヒモをゆるめに結んでいるので,余計足首がつらい。

 一度谷底に下りて川を渡り(小学生ぐらいの子が川遊びをしている。何十年と変わらないイギリスの夏の風景なんだろう),再び小さな山を登る。もうこの丘の向こうはKirkby Stephenの村が見える北斜面になるはず。ところが79マイル地点=山の頂上付近で再び迷う。それまで左手に続いていた石垣を離れて,少し先で北東から東北東にゆっくり曲がって新たな石垣を左手に見る,というシチュエーション(地図の↓地点)で,すぐ先を真東に曲がってしまったようで,等高線に沿って右手に行けども行けども石垣が見えてこない。やっと前方に見えてきたので方向を確かめると,なんと南に向かっている。
南?なんで??
90度以上余計に曲がってしまった模様。
こりゃいかんというので元に戻ると,ずっと手前で追い抜いたはずの何人かと再び合流。30分ぐらいのロスだったが,それよりも1日に2度も,同じパターンで道に迷ってしまったことにがっくり。
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 Kirkby Stephenの町が近くなったところで,きのうも一緒に歩いたKerry,Ricky,Freddieの2人と1匹が軽々と追い抜いていく。いつ見ても速い。

 Kirkby Stephenの町に入って,とぼとぼと歩道を歩いていたら,向こうから来た老婦人に呼びとめられる。道でも聞かれるのだろうか。そんなわけないか。「あなた,毎日歩いてるの?」と聞かれたので「そうですよ♪」と答えると,「あした天気だといいわね」とわざわざ激励のことばをかけてくださる。これはとても嬉しい。

 B&Bに着くと,もう臨月かという大きなおなかをしたおかみさんがウエルカムドリンクのお茶を出してくれる。マグカップで何杯も飲めてしまう。ついでに洗濯物を庭に干してくださる。部屋へ入って鏡を見ると,真赤に日焼けしてしまったことに気づく。痛い。しかし薬屋さんはもう4時半に閉まってるし,CoopにはNiveaしかない。Niveaでもないよりはいいだろ!と購入して顔に塗りまくる。ついでに今日も買ってきたスムージーを一気飲み。パッケージにロンドン五輪オフィシャルスムージーとあるのが笑える。オフィシャルスムージー。
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 薄暗くなってから再度外へ出てぶらぶら歩いていたら,教会の横の路地の奥に小さな中華料理屋を発見。野菜スープと酢鶏をいただいていると,隣の席に1人で座っていた男性のお客が声をかけてくる。どこかで見た人だな…と思っていると,さっきの団体のガイドさんだった。Scottという名前で,ガイドはしていても,晩ごはんは一人で食べたいのでこの店は内緒にしているといって笑う。何度かきみを見かけたよ…というので,きのうPatterdaleからの登りでご一緒しましたよね,というと,さきおとといにもRothwaiteからの登りで抜いていったでしょ,と言われる。そういえば,Greenup edgeのちょっと手前の岩山の,展望が効くところにパーティーが休憩していたな…

 何日ぐらいでCtoCを歩くつもりなの,と聞かれたので「12日のつもりです。」と言うと,それはかなり大変だね…と言われる。ツアーのみなさんは?と聞くと14日間ということで,RHBには土曜日に着く予定だとか。おお,やはり12日はきつめの日程なのか…
 それにしても,いたるところboggy&muddyで大変ですよね,と聞いてみると,2ヶ月ぐらい前にはもっと雨が続いていて(日本でそのニュースを見て装備を変更したような気が),大きく迂回しなきゃならないとか,それはもう大変だったらしい。それに比べれば,いまはずっとマシだという。明日のルートは,途中からほぼ平らな湿地の,あるかないかの尾根筋をたどっていくので,パーティの後ろを歩かせてもらうことにする。

(区間距離20miles,所要時間8時間)
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