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第44回深夜句会(12/15) [俳句]

きょうは6人とやや寂しいが,不在投句が3人いるので選句するのに不自由はないし,選句用紙がほとんど埋まるぐらい内容的にも読みごたえがあった。
句評の時間も十分にあって,年末の忙しい中でほっとしつつ充実した時間。この数年で,こういう時間が本当に貴重になってきた。いつもの店で浅酌して解散。地元の駅まで戻ると23時48分,カフェにかけこんで酔いざましにアイスコーヒーを一杯。

(選句用紙から)

磐よけて小道ありけり枯木立

季題「枯木立」で冬。「冬木立」との違いに注意。
低い山の稜線のような場所,道ともいえないような小道には,木立からの落ち葉が散り敷いている。
うねうねと続くその小道が,ところどころに露出している大きな岩をよけるようにして,ずっと先の方まで続いていたことであるよ。
夏にはうっそうと生い茂って視界の利かない森の道も,すっかり葉が落ちてしまえば遠くまで見通せ,いま歩いている道自体にも,夏に歩いたときよりずっと明るく,日が差している。この季節の山の細道って,天気がいいと,歩いていてつくづく幸せな感じがあるのだけど,そういうことをくどくど言わずに事実の描写で納得させる。

顔見えてゐる冬の夜の高笑ひ

一転して不思議な世界。駅を下りて家へ帰る夜道であろうか,前を歩く者(男であろう)が携帯か何かで大声で話している。それだけでも耳障りなのだが,どういう話の転がり方か,それが高笑いとなって住宅地に響き渡る。で,顔が見えなければ見えないで不気味だけど,街燈の下を通るときにその男の顔が見えてしまうと,その高笑いがいっそう奇妙な感じを受ける。片方は視覚,片方は聴覚で,感性の微妙な部分を刺激してくれる句。

(句帳から)

言ひ直しまた言ひ直し悴める
枯萩の緑色とも茶色とも
けふ寮の掃除当番初氷
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