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池田真朗編著『判例学習のAtoZ』(有斐閣,2010)を読む [皿回し]

初学者むけに書かれた,「判例をどう探し,どう読み解くか」という入門書なのだけど,判例研究や修士論文を書いた後で読むと大変面白い(時既に遅いが)。

判例学習のatoz_.jpg

大審院判例の話(宇奈月事件)が出てきて,「大審院判例は,カタカナ混じりの文語体で書かれており,難読漢字も使われていて,現代の学生諸君には,はなはだ読みにくいと思われる。しかしながら,この昭和10年判決のように,現在も意義のある判例も多数存在する。つまり,判例学習上捨象できない情報源であることは明白なのである。」「そうすると,たとえば理工系の学生が,データが読みにくいからといって,一部の実験データを無視して研究をするだろうか。大審院の判例もそれと同じで,法学部生は読みにくいからといって読まずに済ませてはいけないものなのである。」

長々と引用したのは,いまどきの法学部生(ひょっとして,法科大学院生も?)に大審院判例を読ませるために,苦心して例え話を考えましたね,という微苦笑と,でも大審院判例ってそんなに読みにくいかなあ,という疑問から。
たしかに文語で,句読点がないことに最初は驚くのだけど,独特の調子というか勢いがあって,声に出して読むと,当節のつるつるした判決文よりむしろ親しみやすいと思うけどなあ。


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