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光の探求・闇の誘惑(レンブラント展) [雑感]

レンブラントの版画が好きだ。

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(田舎屋と一本の木のある風景)

もうずいぶん前にボストン美術館(って名古屋のボストン美術館ですよ)でやってた版画展で見てすっかり気に入ってしまった。暗闇とか光を追求する作品も好きなのだけど,なんといっても,風景を扱った版画で,余白が効いている作品がすばらしい。ここですばらしいとは,何もかも説明しようとしない俳句的な描き方が,読み手としてとても共感できるということ。

なかでも好きな作品が「シックスの橋」「アムステルダム郊外,オムファル(廃虚)」「田舎屋と一本の木のある風景」「三本の木」だが,今回は「シックスの橋」以外の3点を再見することができた。紙の質感,わずかに滲んだ黒い線,余白で描かれている大きな空。レンブラントが俳句を詠んだら面白い句を詠んだだろうなと思う。

THEOMVAL.gif
(アムステルダム郊外,オムファル(廃虚))
ぼんやり眺めているうちに
小流れをゆきすぎる舟夏木立
などという句が浮かぶが,どうも説明になってしまうので忘れることにする。

「イタリアの風景のなかで読書をする聖ヒエロニムス」にはライオン(ヒエロニムスが棘を抜いてやったライオン)のうしろ脚が後側からリアルに描かれているのだが,説明を読むと「レンブラントは,オランダ東インド会社が北アフリカから運んだライオンをよく見てスケッチをしていた」という。おお。

Six's_Bridge.gif
(シックスの橋)

大満足して近くのカフェに入ると,布地で手づくりしたメニューの絵が,これまたレンブラントの版画のような黒い細い線で描かれていてびっくり。よい一日。

(2011.7.16 名古屋市美術館)
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